今日から12月ですね。
お寺さんと祖父の百箇日法要の打ち合わせをしようと、書棚を整理していたら、‘ポロッ’とこんなものが落ちてきました。
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色あせて、汚れた「香典帳」…
今から18年前に亡くなった父の香典帳でした。
そこに書かれていた名簿…
その日、ご会葬くださった人たちの名前とその人数を見て、私は腰を抜かしました。
『929人!』
ごくごく普通の「公務員」だった父が、なぜ?
なぜ?こんな凄い人数になるんだ⁉
なんという数なんだ!?
中には、びっくりするような著名人の名前まで!
当時、高校二年生だった私は、確かに規模の大きなお葬式だな、と思っていましたが…
家族みんなの目の前の事故で亡くなったショックと悲しみから、そこに集まってくださった人たちのことなど全く覚えていませんでした。
18年経ったいま、その当時に集まってくださった人たちの名簿を見て、父の偉大さを思い知りました。
私は、父が亡くなる直前まで、父が大嫌いでした!
バカ正直で、クソ真面目で、アホほどお人よし…
本当は、もっとできるはずなのに、いつも控えめで、自分は裏方にまわり、文句ひとつ言わず言われたことを淡々とやる。いつも損ばかりをして、人の依頼ばかりに振り回されている…そんな姿が大嫌いでした。
他人に喜ばれることが大好きで、無駄に身を挺して、いつも大損ばかり…そんな父を軽蔑していました。
でも…
この香典帳の人数を見て、私は衝撃を受けました。
そして、深く反省すると同時に…
父から本当に大切なことを教わりました!
『何も特別なことをしなくていい!』
ただ、毎日を丁寧に生きること。
ただ、目の前にいる1人の役に立つこと。
ただ、人の嫌がることを率先してやること。
ただ、どんな依頼に対しても「はい」と笑顔で答えること。
ただ、損得よりも喜ばれることを優先すること。
ただ、神仏に感謝をして、自分に正直に生きること。
ただ、それをするだけで…
‘こんなにも多くの人たちから愛されるんだ!’と教わりました。
父がどれほどまわりから愛されて、慕われてきたかを知り、この父の息子で本当によかった。心からありがとう。と涙が出ます。
父が生きていた時に、その父の偉大さに気づけなかった自分が情けない。父を軽蔑し、大嫌いだった自分を深く反省しています。
「ごめんなさい」
心から謝りたい時には、もう、父は居ません。
「もし僕が死んだら…
いったい、何人の方が会葬してくださるだろうか?」
特別なことをするよりも、これまで父のしてきたことを思い出し、
今を大切に、
いま、私の目の前にいる人の役に立てるように、
ただ喜んでもらえるように、
毎日を丁寧に生きたいと思いました。
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